海原(かいげん)創刊の辞より

海原(かいげん)創刊の辞より
 俳句形式への愛を基本とし、俳諧自由の精神に立つ
           「海原」代表 安 西 篤


2018年9月30日日曜日

関西スクールの概要

関西スクール 令和二年六月十三日(通信教室)  


春の下駄みたいな形に水へこむ      葛城広光
青嵐古刹の境内吹きめぐる              樽谷寛子
紫陽花や廃墟の隅で自己主張          松本 孜
想念の箱かな紅い夾竹桃                 太田順子
明日がいい今日の私に散華かな    太田順子
驟雨なり我がてのひらに父母に    白石司子
紫陽花や手洗い借りる無人駅        村上紀子
過疎なれど名医住みたり花菖蒲    村上紀子
たんぽぽのような赤ちゃん抱きにけり   小宮豊和
コロナよ鎮まれ泰山木の花ひらく   野崎憲子
鼻唄に合わせて新ジャガ炒る夕べ   上月さやこ
静寂に星を浮かべる代田かな       上月さやこ
新緑の朝の沈殿白きランナー       白石修章
郭公の託卵母は白寿に近くなり  増田暁子
明日へのきりのない夢山笑う     坂本久人
にぎやかに位牌の金文字春が行く   榎本祐子
山清水クエクエコンとタゴガエル
  (タゴガエルは赤ガエルの仲間だが山に響く大きい声で鳴く)谷口道子



関西スクール 令和二年五月九日(通信教室)


赤ん坊耳だけ大きくつくられて   葛城広光
迷路かな手帳の中の五月尽     太田順子
春は散歩寄り径近路まわり道    樽谷寛子
一揆の村過ぎしより蜂の唸り    白石司子
筆談の余白に蝶のいる真昼     白石司子
令和の世先は試練の新コロナ    松本 孜
戦後史を図書から拾う春炬燵    松本 孜
西行忌水面(みずも)を走る雲一片  坂本久刀
桜さくら痴呆が一人立ち尽くす   小宮豊和
約束の再演中止藤の花       村上紀子
雉と出くわす山上憶良かな     榎本祐子
つくしんぼ人に逸(はぐ)れてしまいけり  榎本祐子
亀鳴くや時に委ねて鹿苑寺     白石修章
幼き日蓮花を編みし淡き恋     上月さやこ
牡丹の芽祖母は華やぎ語らずに   増田暁子
色褪せのコロナマスクや空が薹立つ 谷口道子


関西スクール 

関西スクール 令和二年四月十一日(通信教室)
カッコ内は講師の評
種案山子婆の水筒肩にかけ    樽谷寛子
秋の川おんぬおんぬと音がする 葛城広光(このオノマトペは◎)
コロナ騒ぎ冴え返る田に老一人  松本 孜
鯨噴く夜なり海は青を謳い   白石司子(心象風景だが、ありありと景が見えて◎)
雪の回廊花道とも道行とも   白石司子
退職す分水嶺は雪ながら    小宮豊和
春はあけぼのひよこの大群生まれ出る  小宮豊和
六甲や春には春の怪気炎     太田順子(怪気炎はさもありなんと納得。なかなかです)
春星に懐中電灯まっしぐら   太田順子
句をひねる心の文字や風光る  坂本久刀
うぐいすのケキョの裏声媚薬なり 増田暁子(媚薬と断ずるは快挙)
囀や臨月の胎児(こ)がキックする 増田暁子(囀の季語があっての極上の一句)
新コロナ遊び上手の子ら公園   金岡純子
陽炎やコンテナ昇る巨大船    白石修章
葉裏よりふとさよならと初蝶   白石修章
窓側で自粛してをり花の雨    村上紀子
考える葦の若葉を風揺する    村上紀子(自然現象と人間の存在感を捉え、スケールが大きい)
ぎざぎざの己が影あり茎立ちぬ  榎本祐子(取り合わせ◎。茎立ちぬが抜群に良い)
コロナ禍やマスクの紐がからみつく  谷口道子
梅一輪濡れて寂しさまさりけり  上月さやこ(きっちり表現できている)
戯れに手と手を結ぶ夕霞     上月さやこ(恋人直前の気持ちを具体化し、うまい)

 (2020年3月は新型コロナを勘案して、休講としました)


関西スクール 令和2年2月8日
果てしなきあなたへの道冬銀河     上月さやこ
焼き鳥屋仮面だけになった人      葛城広光
枯野原父母という遠き汽笛       白石司子
賀状くれし友大寒に送るとは      金岡純子
追憶の波紋を残す初景色        坂本久刀
ボス猿に発信器付け吹きさらし     村上紀子
芹なずなていねいに生きて老い白む   増田暁子
日に九里けふは葛城山(かつらぎ)猪かけて  樽谷寛子
山眠る次なる命育みて         松本孜
寒鮒や流しに光る鱗とり        白石修章
年賀エアメール夫君の返信妻逝きしと  金岡純子
杖とする古人の影や大和冴ゆ      阪本久刀
別の世の音重なり来(く)寒夜なる      小宮豊和
日本はマグマの宮よ梅ひらく      野崎憲子
鋤く人とかすかに離れ寒鴉       村上紀子
余寒なほ内耳にジェラシーの微音    増田暁子
雁木坂下れば城の梅が香よ       樽谷寛子
沈丁花二〇歳の日日昭和かな      太田順子
春山茶花モガの母がふっと現る     谷口道子
                 (谷口道子記)
関西スクール    2020年1月14日
講師からの高評価の句
寒波くる人生苦しく山静か      坂本久刀
大年の猫と戯むる車椅子         村上紀子
限界集落海市の邑をゆくごとく  白石司子
婆ちゃんが青かびけずる鏡開     増田暁子
鯛の粗突き令和も暮れにけり     白石修章
冬の霧立ちこぎで消ゆジーパンの腰
                                  谷口道子
君の手が梳く黒髪に寒椿         上月さやこ
一月の光ふくらむ木匠館(川上村)
                                            樽谷寛子
地吹雪や体を病めば日々は旅     坂本久刀
老姉妹語らううちに去年今年     金岡純子
人日や己が両手で頬たたく        村上紀子
裁断す樹氷の育つ夜の音           榎本祐子
落つばき紅い布団の迷宮事件     増田暁子
大柘榴食ぶかしこまって二人     谷口道子
消灯の炉なる種(たね)火や遠雪崩
                                          小宮豊和
元気です父に告ぐ日の雪見草   上月さやこ

講師の説明

「婆ちゃんが」の句「鏡開婆ちゃん青かびけずってる」と動作に焦点を。
「鯛の粗」の句「鯛の粗突つき令和の木の葉髪」など具体物で。
「一月の」の句「一月の光ふくらむ奥吉野」等多くの人が連想可能な地名で。
「裁断す」の句、裁断すが何を裁断しているのか不明、布を断つなどと。
「元気です」の句、雪見草を雪間草に(季感が合わない)。



関西スクール  令和元年12月14日
講師の高評価を得た句、並びに講師の注釈

舞台終えし頬にひんやり冬の虹  金岡純子
  (キレがあればより広がる)
てのひらをこぼるる刻よ冬すみれ  野崎憲子
  (冬すみれが聞いている)
冬の月白さをまして君は来ず  上月さやこ
  (上五、下五を入れ替える) 
廃校の庭精気漲る落葉かな  坂本久刀
  (上五で切れ、落ち葉は朴落ち葉などより具体を)
枝ぶりは亡父の古さよ松手入れ  白石修章
  (あっさりしているが、なかなか良い)
行く秋の夜の心音それともノイズ  榎本祐子
  (ノイズに微妙な感じを掬い取った)
冬灯晩成さぐる電子辞書  増田暁子
昼飯を一人で食んで十二月  小宮豊和
  (大好きな句だ)
身体中空気になった岩の塩  葛城広光
  (空気にかわるに)
山紅葉日増しに艶を増す丹波  松本孜
藁塚の崩れしままや母の背や  樽谷寛子
  (新しい句、ありありと景が見える)
眼底に暗き海溝吹雪くなり  白石司子
  (現代俳句の特徴を持つ句)
霜柱いよいよ黒く豆乾く  村上紀子
  (色の対比が良い)
寒林や時は過ぎ行くすみやかに  坂本久刀
  (寒林が効いている)
喉越しの熟柿あちらから風来る  白石修章
  (あちらからに感心)
息止めて橋を渡れば髪枯れる 榎本祐子
  (橋をさらに具体的に)
爪ほどの椿の蕾命の温さを  谷口道子
  (下五を抜くしで止める)
身辺を行き来する影十二月  小宮豊和
  (十二月だからこそ)

                 (谷口道子記)

2019年11月9日   

飛沫のごとこの陽を楽しむしじみ蝶  増田暁子
虎落笛夜の瘡蓋を剥がしおり    白石司子
太き根や大地に深く黒枝豆        松本 孜
鴛鴦の番ようこそ道頓堀川        金岡純子
やらやらと肉を焦がして秋汚す 榎本祐子
人生は日々の織物文化の日        坂本久刀
豆を煮てをり月光を浴びてをり 小西瞬夏
断層の破砕の間延び蚯蚓鳴く    小宮豊和
読み聞かす声の安らぎちちろ虫 増田暁子
懸巣鳴く僕らは風と徒競争        樽谷寛子
死の淵を揺らしゐるごと鹿の声 白石司子
もて余す枝豆残渣嵩張りて        松本 孜
銀杏の潰れし道も風物詩            金岡純子
鳩吹いて夕陽を海に返すかな   村上紀子
人体の瑕のひろごる櫨紅葉    河田清峯
気がつけば老いの山坂体育の日 坂本久刀

2019年9月14日   関西スクール


夏草と斗う日々の深き皺    松本孜

アイドルを真似る幼子盆踊り  村上紀子

盆飾り来年もこの手でと合掌  金岡純子

塀の中私という驟雨かな    白石司子

夾竹桃の白さ疼くヒ・ロ・シ・マ   谷口道子
新茶淹れては蘇る濃き青空   坂本久刀
苺の実鎖かたびらを動かすぽ  葛城裸時
蝶鍬形(くわがた)虫竹馬の友も山住い  小宮豊和
壊れたピアノ一本指で弾く愁思 増田暁子
虫籠の闇に残りし目玉かな   白石司子
歯を抜かれ鰯雲まで帰るなり  榎本祐子
夏椿は揺れて未来へ翔るかな  坂本久刀

武田先生の講評
本日の最高句は
苺の実鎖かたびらを動かすぽ  葛城裸時
 ただし、次のように変えることを検討する。
蛇苺かたびらを動かす ぽ
独特で他の誰も書けない句だ。



2019年7月23日 関西スクールの概要

参観日紙の時計を持っている              葛城裸時瞬かぬ青蛙いてマトリョーシカ            河田清峯奥の院に悟道の音や滝こだま             坂本久刀川鵜飛んでる寝ぐせの髪が笑ってる          榎本祐子鶏頭花ゆずれない質(たち)そちこちに    増田暁子昼寝の犬ぶどう五粒の足裏かな            谷口道子老鶯や主義主張なく店たたむ             村上紀子空梅雨や水路に鋭い農夫の眼             松本孜バックパッカー風麦秋の観音寺            白石修章旅に来て鮟鱇の貌吾にへばりつく           樽谷寛子城跡の無人の校舎炎天下               坂本久刀完璧やおおむらさきの羽化終る           小宮豊和千代子さんあなたの小塩山立夏           谷口道子                  (谷口道子記)



2019年6月8日 関西スクールの概要




講師の高評価の句



昭和人平成豊かに老を生き          松本 孜

雨の声手繰りよせてる棕櫚の花        増田暁子

友来る土産の切り花蟻お供                         金岡純子

振り返るたび風光る岬かな                         白石司子
口漱ぐ母の音して山滴る                             野崎憲子
青水無月東京を打つ兜太日記                       河田清峯
茎立ちて西洋辛子菜空は紫                        谷口道子
遠景に据わる二上山花の雨                           坂本久刀
畔塗るや田は一面の水鏡                            松本孜
夜毎の闇記憶に溜める白牡丹                       増田暁子
抱きあげる母が笑うよ豆ご飯                       村上紀子
通りすがりの牛蛙でござります                   野崎憲子
枇杷の実が好きなんですよ虫歯抜く                 河田清峯
救命センター梅の実ややの爪ほどの                 谷口道子
アメリカを恋ふ呻きなり牛蛙                      小宮豊和

講評抜粋

「昭和人」は「昭和・平成」に。
「青水月」の句、「打つ」は「撃つ」の方がリアル感。
「茎立ちて」のく、下五を上に。
「夜毎の闇」の句、何処で切れるかによって、二重性の面白さがある。
「通りすがり」の句、変だが抜群にうまい。
                  (谷口道子記)


   


令和元年5月11日


講師の高評価の句



春の水飴がゆっくり割れていた      葛城裸時

光秀の母と眺める青丹波         村上紀子

銀杏並木一気に芽吹き都構想 GO       金岡純子

紫木蓮不惑は遠き傘寿なる        小宮豊和

ひらひらり黄蝶野を嗅ぐ奥の院      白石修章

寂しさも生き抜く力風光る        坂本久刀
牡丹の芽輪廻の色は燃ゆる血に      増田暁子
平成終わる日鵤(いかる)一羽我が庭に    谷口道子
一瞬の瓦の浮遊台風来          白石修章
一飛花に攫われている山羊の眼よ     河田青峰
心中に生きる山清水恩師の訃       坂本久刀
               (谷口道子記)
講評抜粋
「春の水」で切れる。「飴がゆっくり割れていた」ではなく、「ゆっくり割れだした」 でよくなる。
「一瞬の」の句、「台風来」ではなく「夏台風」でどうだ。


平成31年4月13日

講師高評価の句
春の風呂足の指よりやや低い       葛城裸時
厨子王の和船ゆらゆら梅の山       村上紀子
大切なものから捨てて桃の花       野崎憲子
中之島の鳥獣戯画展冴え返る       金岡純子
生き死には厳と病棟冬が逝く       小宮豊和
楽しさは自由の身や柳絮飛ぶ       坂本久刀
辛夷咲く母家も分家も香に包み      増田暁子
ふと春愁横断歩道の真ん中で       榎本祐子
ミモザ行方不明の時間です          河田清峯
樹木葬の幟はためくおむすびころりん   谷口道子
春の虹十一日を禱るまも         村上紀子
木の芽雨鍼灸院の繊き針         榎本祐子
リュウグウへ行きたしデコポンもらったり 河田清峯
                  (谷口道子記)
講評
「花ミモザ」の句、座五の「です」の断定が説明っぽい。
「行方不明となる時間」としてはどうか。



平成31年3月9日

講師による高評価の句

虚空蔵山の明るさ満たす初音かな   坂本久刀

永き日や路地いっぱいのランドセル  白石修章

淡海の春金平糖がびんの底      増田暁子

自転車通勤恋猫と擦れ違う      榎本祐子

西宮戎の韋駄天我が療法士も     金岡純子

兜太の忌若木にあふるる梅の白    谷口道子

旅の宿銘酒一献牡蠣フライ      松本孜

逃げ水追うメリケン波止場の赤い靴  増田暁子

耳疎き日や茹ですぎの法薐草     榎本祐子

去年今年再放送攻めのNHK     金岡純子

白梅や蕾に母を誘う色        村上紀子

 講評
「淡海の春」と「びんの底」、「自転車通勤」と「猫の恋」の対比の面白さ。
「逃げ水追う」の季語がうまい。
    


平成三十一年一月十二日

講師による高評価の句

鹿網を除して元の田に戻る            松本孜綾取りの三角四角年の果             白石修章バーチャルな恋のはあはあ霜柱     榎本祐子林檎むく凜と左手のピアニスト        増田暁子屯田碑にオホーツクの風初景色        坂本久刀初春や翁の面が謡い出す              樽谷寛子翡翠の目つけたる聖母七日粥      村上紀子年の瀬や平成平和に生き続け      松本孜屋島嶺の待ちかねている初明り     河田清峯初凪やはっと湾奥より汽笛       白石修章寒に入るトイプードルの二割引き    三好つや子掌にゴツと故郷(さと)の記憶よ大和芋   谷口道子石山寺に日向ぼこして風甘し      坂本久刀去年今年愚直に並べ五・七・五     小宮豊和

 今回の注意点
 句を鑑賞する場合、意味で読もうとしないこと。句の生のところ、イメージを感じ取るように。
 逆に、句を作る場合。独りよがりではだめ、読み手を意識して少し具体を加えればよくなる。
 写生句はイメージが浮かびやすい。ただし、並みになりやすい。心の中の景を読むのも良い。


関西スクール 平成三十年十二月八日 

講師による高評価の句

秋の蛙しまい忘れし片足よ    樽谷寛子
雛ぎくのぎくに落ちた聴診器   葛城裸時 軒に吊る朱き猪肉手に余る    増田暁子 梟の眠りの中は多面体      白石司子 梟は一刀彫の闇なんだ      三好つや子 次の風に乗ってくつもり冬紅葉  野崎典子 迎合なしやどり木は冬青々と   小宮豊和冬隣無名地蔵の欠茶碗      松本 孜サフランや城門を出る飾り馬   村上紀子表参道べた足軽き落葉かな    白石修章寒星や育ての親の故山行く    坂本久刀北斎の腕まくり4Lの小布施栗  谷口道子
缶蹴りの缶に広がりゆく冬野   白石司子 ちゃんちゃんこ月曜病を懐かしむ 三好つや子十二月八日のバスに乗らんとす  河田清峰 川上は銀の櫨の実鳴るところ   榎本祐子
         (谷口道子記)

  


2018年11月10日 関西スクールの概要 

講師による高評価の句

 東方に光あり萱の岩湧山(いわわき)    樽谷寛子 
 身を反らし点ける灯火京の秋            白石修章 
 枯木立DADAの目玉のあまたなり             白石司子 
 小春日やエンディングノートの筆進む       長尾向季
 蚯蚓鳴く左の欠けるニュースかな               三好つや子 
 人生の午後ピカピカの釘を打つ          坂本久刀
 夏休み粘土のように柔らかい          葛城裸時 
「もみずる」百回唱え鬼になる          榎本祐子 
 チクチク刺す黒の力や黒枝豆          谷口道子
 泡立草つづく伊予路や背を正す         白石修章
 魚眼レンズの中に極月の街                 白石司子
 伊吹嶺に対峙どうどう稲架襖         長尾向季 
 どっちにも歩のある選挙大根引く             村上紀子 
 陽の重み直哉旧居の柿すだれ         坂本久刀 
 躁鬱やオリオンを組みまた解く        榎本祐子
 短日や地下足袋を脱ぐ茶の香り        松本孜 
 羊雲午後の女教師名調子                 小宮豊和


  本日のひとこと

 あまり知られていない地名、山名をつかう場合は、その土地の特徴的な植物などへ焦点を持っていくこと。 
 例1 萱の岩湧山(いわわき)を 岩湧山の穂芒 にするなどの工夫を。 
 例2 伊吹嶺は丁度良い知名度。これが、比叡山や富士山では山のイメージがはっきりし  すぎてバランスが悪くなる。
                              (谷口道子記)

関西スクールの概要 2018年10月9日

講師による高評価の句

1   吹っ切れて秋天走る車いす                 村上紀子

2  滑莧村のポンプ井涸れにけり           樽谷寛子

3  番雀か草露啜りおるバス停                  金岡純子

4  草の花夕陽は透けて語り上手           増田暁子

5  雨上がり毬を飛出す丹波栗                  松本 孜

6  缶詰と缶切り冷やす冷蔵庫                  葛城裸時

7  豊の秋モアイのごとき顎が行く          三好つや子

8     宵闇や無灯火自転車すれ違ふ           長尾向季

9  花野風浅き傷より乾きゆく               小西瞬夏

10  平城宮跡の音色や初嵐                      坂本久刀

11  秋蝶の翅たたむように戦後史       白石司子

12  鱏のごと今日も見ている火夏星      白石修章

13  虹の根をつかみそこねて穴惑い      三好つや子

14  鳥渡るいのち一つを引っ提げて      小宮豊和

15  心頭くらくらいちじく酸いくなる     榎本裕子


                                          (谷口道子記)



2018年9月8日関西スクールの概要 
講師による高評価の句
1  蟬骸そこここ生まれてよかったか    金岡純子
2  かなかなの語尾のにごりの雨もよう   増田暁子
3   濃尾の青田尼僧絵のごと風のごと     樽谷寛子
4  終戦日日焼けた疎開の子の行方       松本 孜
5  雲の峰微動だにせぬ延長戦         白石修章
6  雲を脱ぐ丹波の富士や稲の花        村上紀子
7  シベリアの五万柱に芋殻焚く        小宮豊和

8  林檎人夢にばかり包まれて         葛城裸時
9  全てやりたき整理整頓猛暑来る     坂本久刀
10  調査船稲妻直に沖を切る        谷口道子
11  熱帯夜標本箱という秘境        三好つや子
12  かすれたる家系図烏瓜の花       長尾向季
13  腐りゆく水にぼんやり水中花      榎本祐子
14  空に放つ紙飛行機子規忌なり      白石司子

本日の注意点

 常々、「キレを入れ」と言っているが、「 ”の”でつなげることによる、”切れつつつながる” 得もいわれぬ空気感を表現することも大事 」

 

2018年7月14日関西スクールの概要


 講師による高評価の句
1   川音は闇を執せり恋蛍           村上紀子
2   ブラックバス雑魚喰い荒す青葉闇      松本 孜
3   言い訳の闇にほうたる色退せて       増田暁子
4   植田一面雲も甍も故郷のもの        白石修章
5   サングラス困ってますねん涙目に      谷口道子
6   水中花糊を貼るのを思い出す        葛城裸時
7   黒塗りの教科書の中くちなわ匍う      白石司子
8   曲屋の夏の夜神楽天鼓かな         樽谷寛子
9   冷奴おまけのように父座る         三好つや子
10   胸鰭背鰭菖蒲畑に隠しおく         榎本祐子
11  訃報来る緩む齢に植田風          坂本久刀
12  揺れ最中地震中継見るも我         金岡純子
13  鮒鮓や出雲に生ワニ食べる村        長尾向季

本日の注意点
「名詞」「動詞」「名詞」の組み合わせの場合。上五、下五の置き方に注意。
                                                                                                         (谷口道子記)

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スケジュ-ルのお知らせ

スケジュールのお知らせ  関西合同句会 (偶数月の第2土曜日、午後) 6月、8月   休会                    関西スクール (毎月第2土曜日、午前) 5月  5月9日(土)  通信教室に変更 6月  6月13日(土) 通信教室に変更 7月  7...