海原(かいげん)創刊の辞より

海原(かいげん)創刊の辞より
 俳句形式への愛を基本とし、俳諧自由の精神に立つ
           「海原」代表 安 西 篤


2018年9月30日日曜日

関西スクールの概要

関西スクール    平成三十一年一月十二日

講師による高評価の句

鹿網を除して元の田に戻る            松本孜綾取りの三角四角年の果             白石修章バーチャルな恋のはあはあ霜柱     榎本祐子林檎むく凜と左手のピアニスト        増田暁子屯田碑にオホーツクの風初景色        坂本久刀初春や翁の面が謡い出す              樽谷寛子翡翠の目つけたる聖母七日粥      村上紀子年の瀬や平成平和に生き続け      松本孜屋島嶺の待ちかねている初明り     河田清峯初凪やはっと湾奥より汽笛       白石修章寒に入るトイプードルの二割引き    三好つや子掌にゴツと故郷(さと)の記憶よ大和芋   谷口道子石山寺に日向ぼこして風甘し      坂本久刀去年今年愚直に並べ五・七・五     小宮豊和

 今回の注意点
 句を鑑賞する場合、意味で読もうとしないこと。句の生のところ、イメージを感じ取るように。
 逆に、句を作る場合。独りよがりではだめ、読み手を意識して少し具体を加えればよくなる。
 写生句はイメージが浮かびやすい。ただし、並みになりやすい。心の中の景を読むのも良い。


関西スクール 平成三十年十二月八日 

講師による高評価の句

秋の蛙しまい忘れし片足よ    樽谷寛子
雛ぎくのぎくに落ちた聴診器   葛城裸時 軒に吊る朱き猪肉手に余る    増田暁子 梟の眠りの中は多面体      白石司子 梟は一刀彫の闇なんだ      三好つや子 次の風に乗ってくつもり冬紅葉  野崎典子 迎合なしやどり木は冬青々と   小宮豊和冬隣無名地蔵の欠茶碗      松本 孜サフランや城門を出る飾り馬   村上紀子表参道べた足軽き落葉かな    白石修章寒星や育ての親の故山行く    坂本久刀北斎の腕まくり4Lの小布施栗  谷口道子
缶蹴りの缶に広がりゆく冬野   白石司子 ちゃんちゃんこ月曜病を懐かしむ 三好つや子十二月八日のバスに乗らんとす  河田清峰 川上は銀の櫨の実鳴るところ   榎本祐子
         (谷口道子記)

  


2018年11月10日 関西スクールの概要 

講師による高評価の句

 東方に光あり萱の岩湧山(いわわき)    樽谷寛子 
 身を反らし点ける灯火京の秋            白石修章 
 枯木立DADAの目玉のあまたなり             白石司子 
 小春日やエンディングノートの筆進む       長尾向季
 蚯蚓鳴く左の欠けるニュースかな               三好つや子 
 人生の午後ピカピカの釘を打つ          坂本久刀
 夏休み粘土のように柔らかい          葛城裸時 
「もみずる」百回唱え鬼になる          榎本祐子 
 チクチク刺す黒の力や黒枝豆          谷口道子
 泡立草つづく伊予路や背を正す         白石修章
 魚眼レンズの中に極月の街                 白石司子
 伊吹嶺に対峙どうどう稲架襖         長尾向季 
 どっちにも歩のある選挙大根引く             村上紀子 
 陽の重み直哉旧居の柿すだれ         坂本久刀 
 躁鬱やオリオンを組みまた解く        榎本祐子
 短日や地下足袋を脱ぐ茶の香り        松本孜 
 羊雲午後の女教師名調子                 小宮豊和


  本日のひとこと

 あまり知られていない地名、山名をつかう場合は、その土地の特徴的な植物などへ焦点を持っていくこと。 
 例1 萱の岩湧山(いわわき)を 岩湧山の穂芒 にするなどの工夫を。 
 例2 伊吹嶺は丁度良い知名度。これが、比叡山や富士山では山のイメージがはっきりし  すぎてバランスが悪くなる。
                              (谷口道子記)

関西スクールの概要 2018年10月9日

講師による高評価の句

1   吹っ切れて秋天走る車いす                 村上紀子

2  滑莧村のポンプ井涸れにけり           樽谷寛子

3  番雀か草露啜りおるバス停                  金岡純子

4  草の花夕陽は透けて語り上手           増田暁子

5  雨上がり毬を飛出す丹波栗                  松本 孜

6  缶詰と缶切り冷やす冷蔵庫                  葛城裸時

7  豊の秋モアイのごとき顎が行く          三好つや子

8     宵闇や無灯火自転車すれ違ふ           長尾向季

9  花野風浅き傷より乾きゆく               小西瞬夏

10  平城宮跡の音色や初嵐                      坂本久刀

11  秋蝶の翅たたむように戦後史       白石司子

12  鱏のごと今日も見ている火夏星      白石修章

13  虹の根をつかみそこねて穴惑い      三好つや子

14  鳥渡るいのち一つを引っ提げて      小宮豊和

15  心頭くらくらいちじく酸いくなる     榎本裕子


                                          (谷口道子記)



2018年9月8日関西スクールの概要 
講師による高評価の句
1  蟬骸そこここ生まれてよかったか    金岡純子
2  かなかなの語尾のにごりの雨もよう   増田暁子
3   濃尾の青田尼僧絵のごと風のごと     樽谷寛子
4  終戦日日焼けた疎開の子の行方       松本 孜
5  雲の峰微動だにせぬ延長戦         白石修章
6  雲を脱ぐ丹波の富士や稲の花        村上紀子
7  シベリアの五万柱に芋殻焚く        小宮豊和

8  林檎人夢にばかり包まれて         葛城裸時
9  全てやりたき整理整頓猛暑来る     坂本久刀
10  調査船稲妻直に沖を切る        谷口道子
11  熱帯夜標本箱という秘境        三好つや子
12  かすれたる家系図烏瓜の花       長尾向季
13  腐りゆく水にぼんやり水中花      榎本祐子
14  空に放つ紙飛行機子規忌なり      白石司子

本日の注意点

 常々、「キレを入れ」と言っているが、「 ”の”でつなげることによる、”切れつつつながる” 得もいわれぬ空気感を表現することも大事 」

 

2018年7月14日関西スクールの概要


 講師による高評価の句
1   川音は闇を執せり恋蛍           村上紀子
2   ブラックバス雑魚喰い荒す青葉闇      松本 孜
3   言い訳の闇にほうたる色退せて       増田暁子
4   植田一面雲も甍も故郷のもの        白石修章
5   サングラス困ってますねん涙目に      谷口道子
6   水中花糊を貼るのを思い出す        葛城裸時
7   黒塗りの教科書の中くちなわ匍う      白石司子
8   曲屋の夏の夜神楽天鼓かな         樽谷寛子
9   冷奴おまけのように父座る         三好つや子
10   胸鰭背鰭菖蒲畑に隠しおく         榎本祐子
11  訃報来る緩む齢に植田風          坂本久刀
12  揺れ最中地震中継見るも我         金岡純子
13  鮒鮓や出雲に生ワニ食べる村        長尾向季

本日の注意点
「名詞」「動詞」「名詞」の組み合わせの場合。上五、下五の置き方に注意。
                                                                                                         (谷口道子記)

0 件のコメント:

コメントを投稿

海原の理念

海原(かいげん)の理念 海程の後継誌「海原」の理念について 「海原」代表 安 西 篤 ご承知のように、本年9月 をもって本誌「海程」は終刊となり、その後継誌として、新たに「海原」が10月 に倉1刊 されることになり ました。 海程の終刊は、金子兜太主宰のご高齢...