海原(かいげん)創刊の辞より

海原(かいげん)創刊の辞より
 俳句形式への愛を基本とし、俳諧自由の精神に立つ
           「海原」代表 安 西 篤


2018年9月21日金曜日

大阪句会の抜粋

大阪句会抜粋

 大阪句会 2021年5月22日(通信句会)

皆おとな母は早よから端午の支度 樫本昌博

雹の夕地蔵ぶつぶつつぶやいて  葛城広光

十重二十重森の緑の暗さかな   小宮豊和

葉桜や置いていかれしワクチン戦 白石修章

被爆国ノーモア核兵器批准せず  滝澤泰斗

末黒野の果て末期の母の眼あり  谷口道子

わが魂に花種蒔くよ妻ありてこそ 樽谷寛子

春深し椅子に座りて野馬の面   豊原清明

職解かれおとこ米研ぐ揚げ雲雀  新田幸子

空海を攀じ登りけり黄金虫    野﨑憲子

虚も実も剪定バサミの拠り所   増田暁子

神舞の袖翻る青嵐        榎本祐子

             (榎本祐子記)


大阪句会  2021年4月24日 通信句会

虎杖の折ってポン食べてまたポン    樫本昌博

孝行が上手すぎて既に僧   葛城広光

バッタだけ元気だ草の波うねる   小宮豊和

永き日や見つけし亡父の通信簿   白石修章

一首一句俳歌壇に風光る   滝澤泰斗

酒蔵の香りを連れて花吹雪   谷口道子

花の岡三千世帯が蠢(うごめ)きぬ   樽谷寛子

肋間に風吹くは何二月尽   新田幸子

春の渚へひらききる感情   野﨑憲子

顧みる人生サイクルみな朧   増田暁子

電波時計狂って連翹爆発   榎本祐子

                (榎本祐子記)


大阪句会(通信句会) 2021年3月27日

雨あがり蛇の髭の実は光放つ   樫本昌博

浮かぶ雲本当はちぎり絵なのですよ    

                葛城広光

創造の春遅々として芽の硬さ   小宮豊和

豚玉や昼のビールの途中下車   白石修章

瑠璃色の狸の目力雪を透く    滝澤泰斗

侘助や濃き紅色が吾を嗤う    谷口道子

覚えているよ紙雛折し母の手を  樽谷寛子

春の蚊のバイクの音の激しさよ  豊原清明

花こぶし歩こう今日もいい天気  野﨑憲子

人と会う嬉しさに似て花種まく  増田暁子

望郷のごと茎立ち突っ立って   榎本祐子

             (榎本祐子記)

大阪句会 2021年2月27日

拳あげじっと時まつ冬デイゴ  樫本昌博

カタツムリ殻の中の曲がり風  葛城広光

鼻すする老妻となりバレンタイン   白石修章

一人居の心にはるか虎落笛  小宮豊和

自由の碑アルプス遥か冬日和  滝澤泰斗

空へ血を吐くごとしや詩人の魂  谷口道子

へうへうと泥つき大根運ぶ爺  樽谷寛子

初蝶の先に集まる両手かな  豊原清明

枯はちす声上げ五体軋みゆく  新田幸子

手を放すなら今風船がノツクしてゐる  野﨑憲子

   (フクシマから10年) 

斑雪いつかは戻ると移り住み  増田暁子

冬の噴水人寄ればはしゃぎだす  榎本祐子

               (榎本祐子記)

大阪句会 2021年1月23日(通信句会)

千度の火くぐりし母よ冬の月      樫本昌博

球体の夜を汲んで寝坊する       葛城広光

古い森鹿の形の影走る         小宮豊和

ゆく年や鏡の中に居るは誰       白石修章

カバ親子窓から怪訝の雪野原      滝澤泰斗

透ける空希望の色足す寒椿       谷口道子

飛火野や鳥の目塞ぐ春(はる)疾風(はやて)    樽谷寛子

たましいを撃ち抜くものよ冬鴉     豊原清明

語部は紅いびいどろ雪しんしん     新田幸子

初日さす雲間雲間からイマジン     野﨑憲子

千枚漬け発酵してくる息子(こ)の正論 増田暁子

自由意志です林檎かじってます     榎本祐子

             (榎本祐子記)



大阪句会 2020年12月19日 

絵手紙の冬の鸛来し地酒買ふ   樫本昌博

干し大根十数羽として飛びたちぬ 葛城広光

両岸にさみどり生ひて小川かな  小宮豊和

爺の顔ちらり覗き見おでん鍋   白石修章

父母姉に取り残されて冬の旅   滝澤泰斗

月の舟大福好きの先生よ     谷口道子

(金岡純子追悼句)

句友悼みて銀杏散るなり御堂筋  樽谷寛子

寒鴉途切れ途切れの呼吸かな   豊原清明

竈猫検体叶わぬ身となりぬ    新田幸子

鈴が鳴るとき狐火みんなゐなくなる

                野﨑憲子

着ぶくれて天地無用の荷となりぬ 増田暁子

ずるずると帯を引き摺る紅葉狩  榎本祐子

             (榎本祐子記)



大阪句会  20201121 

冬アザミ吸いつ蜂雀ホバリング  樫本昌博

コロナ禍で私一枚のコピー紙   葛城広光

鳥獣虫魚冬の木霊が森語る    小宮豊和

落葉焚昨夜のさよなら満塁打   白石修章

秋場所の土俵飛び出し桟敷まで  滝澤泰斗

庭木の陰白き光や野菊咲く    谷口道子

新豆腐届く刻です丘晴れて    樽谷寛子

冬天の殺す思いの憎さかな    豊原清明

家中を灯してひとり暮早し    新田幸子

たつぷりと陽を懐に冬立ちぬ   野﨑憲子

自分史や灯ともすように石蕗咲いて

増田暁子

少しずつ時計の狂う紅葉山    榎本祐子

            (榎本祐子・記)



大阪句会 2020年10月21日    

砥峰はゆらら縦縞すすきなり     樫本昌博
無造作にタオル凍って蛍光灯     葛城広光
白く白くはしる秋風空が鳴る     小宮豊和
時間論厭きて秋日ごろ寝かな     白石修章
暴風に飲み込まれゆく特攻基地    滝澤泰斗
十月は普段の極み日暮れ路      竹内義聿
玉すだれパキっと出そろう妣の庭   谷口道子
色鳥来なぜか悲しい女優の死     樽谷寛子
秋燕やこの谷底へまた来いよ     豊原清明
捨案山子眠る瞼は持たぬまま     新田幸子
露の玉の中に玉ありヒッヒッフー   野﨑憲子
信楽焼(しがらき)の子だぬき二ひき草もみじ   増田暁子
またひと粒山に吸われて帰る星    榎本祐子
               (榎本祐子記)

大阪句会 9月19日

イソジンが蒸発するや恋心    葛城広光
案山子たつ家族揃うは畑かな   樫本昌博
羅(うすもの)の母を白南風巻きしめる   
             小宮豊和
子等帰り高きを競う秋茜     白石修章
アルプスにキベリタテハの気ままかな
             滝澤泰斗
読み書きの夜長あなたは不老不死 竹内義聿
怪しげなざわわきっと大夕立   谷口道子
コロナ禍(まが)バベルの塔の絵ざわつくよ
             樽谷寛子
私の柔らかい臀肉天の川     豊原清明
カマキリのゆめ曼珠沙華の夢夜明け
             野﨑憲子
屏風絵を抜けて遊女の月光浴   新田幸子
かなかなや不要不急と肩が凝り  増田暁子
沼(ぬ)島(しま)よりポルカのリズム秋黴雨 
             矢野千代子
人に逸れ笛の洞ろへ秋の息    榎本祐子
             (榎本祐子記)

大阪句会 2020年8月13日

明易や蜩鳴くよここは祖谷    樫本昌博
真っ直ぐなストロー速い新幹線  葛城広光
鶏頭のでこぼこ坊主頭かな    小宮豊和
明けきらぬ村に残月田草取り   白石修章
編み物と俳句で日盛りやり過ごす 滝澤泰斗
貝割れ菜出生以前に神宿る    竹内義聿
鉄兜幾度の渡河や蝉時雨     谷口道子
白鳩の一羽は少年広島忌     樽谷寛子
立秋や世間と会わず部屋の中   豊原清明
進捗を確かめに行くかたつむり  新田幸子
青空の青が降ります紅の花    野﨑憲子
胃カメラ飲む金魚鉢の波荒れるごと
                増田暁子
千両青実拭わぬ涙がぽとぽとん 矢野千代子
櫛洗うつくつくぼうし鳴き出した 榎本祐子
             (榎本祐子記)

大阪句会 2020年7月18日

七夕や肥の国水禍ただ拝す    樫本昌博
卵焼き二人のおでこが触れるとき 葛城広光
鶏頭に施肥して夏をやりすごす  小宮豊和
児等よ来よ蟬の緑子翅を干す   白石修章
縺れるは別れ話のホタルかな   滝澤泰斗
至近にありされど遥かなる木槿  竹内義聿
梅雨晴れ間お年寄と蟻の列    谷口道子
小学校の土俵存続大青田     樽谷寛子
地下街でカレーを食べた梅雨の刻 豊原清明
空蝉よりはて面妖な追伸来    新田幸子
小生は風でござると蝸牛     野﨑憲子
夏蝶にあこがれ少女の乱反射   増田暁子
ペンギン君いまにズボンがずり落ちる
               矢野千代子
万緑に鴉つくづく濡れている   榎本祐子
             (榎本祐子記)


 大阪句会 2020年6月20日

ガキの頃プラネタリウムは蚊帳の中
                樫本昌博
リモコンを芝生の上に忘れたる  葛城広光
たんぽぽのような赤ちゃん抱きにけり
                小宮豊和
少年の飛び込む水面合歓の花   白石修章
孫は学習俺は退化や今朝の秋   滝澤泰斗
その場に居合わせただけ花筏共に見る
                竹内義聿
大都会アラート色の入梅(ついり)雲(くも)    谷口道子
ぷくっとアマリリス吉祥天女かな 樽谷寛子
禿げ坊のアイスキャンディー紅き舌
                豊原清明
人に塩振る花折峠を帰り来て   新田幸子
くだけて波よ青水無月の花嫁よ  野﨑憲子
青を漕ぐ背を向く少女の捩り花  増田暁子
愛染堂楊梅千本のしずかさよ  矢野千代子
棕櫚の花仰ぎ夕べのお念仏    榎本祐子
             (榎本祐子記)

大阪句会 2020年5月16日

鈴蘭に蹴躓きたり鈴拾う     樫本昌博
散水車艶艶艶の字を配る     葛城広光
その角を曲がれば別の世の五月  小宮豊和
人絶えて透ける葉桜空のずれ   白石修章
再びの抑留地にて春と逝く    滝澤泰斗
高架電車の地面に百済沈みゆき  竹内義聿
コロナ疲れソファー斜めの人形たち
                谷口道子
怪光を集めて菜の花蝶と化す   樽谷寛子
夏の犬ひょろひょろとして土を食う    
                豊原清明
ステイホーム無聊を託(かこ)ち臍のごま  新田幸子
舌先でつくるシヤボンや蛇の衣  野﨑憲子
ゆびきりの針千本蛇は皮を脱ぐ  増田暁子
青みかん早口ことば競いたる  矢野千代子
ときどきは春蟬のよう泣いてみる 榎本祐子
             (榎本祐子記)

大阪句会 2020年4月18日

菫かな駆け寄りのぼりその先も  樫本昌博
動物の悦び赤いマッチ飛ぶ    葛城広光
桜さくら痴呆が一人立ち尽くす  小宮豊和
友逝くやコロナ籠りの花の雨   白石修章
コロナ禍が戦争の体万愚節    滝澤泰斗
孤独死の爪切りそろえ路地の月  竹内義聿
落花の道湿りの気配に沿いながら 谷口道子
夕映えのぶらんこ金剛山(こんごう)蹴る少女 樽谷寛子
野遊びの恋人残し影広がる    豊原清明
開園ベル河馬はガバリと水を脱ぐ 新田幸子
櫻騒潮騒人騒コロナ騒      野﨑憲子
紅を差す女人の腰や牡丹の芽   増田暁子
実万両くしゃみぽとんと乙訓(おとくに)へ  矢野千代子
囀りの伸びて縮んで生き急ぐ   榎本祐子
             (榎本祐子記)

大阪句会 2020.3.21 

祖母の手も観音さんも白木蓮(はくれん)か  樫本昌博
木の芽時閑職の椅子逆さまに   葛城広光
卵かけごはんまぶしい寒の朝   小宮豊和
涅槃西風悲しいねえと独り言   白石修章
儒者賢者密使早駒やばい口舌   竹内義聿
コロナ禍にやがて悲しき地球冷え 滝澤泰斗
花殻を摘めば冷たき椿かな    谷口道子
梅ひらくように「歎異抄」輪読す 樽谷寛子
うりずんや湿気た聖書開く閉づ  豊原清明
会者定離切子グラスの花薊    新田幸子
囀やブテイツクこまどり閉店前  野﨑憲子
球根植うひらがなかたかなちりばめて
                増田暁子
兜太の忌金剛山(こんごう)稜線太々と   矢野千代子
爪を切る音が桜を咲かすのです  榎本祐子
             (榎本祐子記)

大阪句会 2月15日 

冬帽のほどけそうだよ辛夷蕾   樫本昌博
歯磨き粉ぽとり落として蝸牛   葛城広光
卒業す板の廊下を踏み鳴らし   小宮豊和
受験生きりり髪結う自習室    白石修章
迷惑かけることが生き甲斐かも知れぬ
                竹内義聿
白さ際立つ迷わずずっしり大根焚き
                谷口道子
春手袋百済観音に会いたし    樽谷寛子
春月輝吾は兜太読み耽る     豊原清明
星凍るホットケーキのふ~わふわ 新田幸子
あやかしの大欠伸して雪まろげ  野﨑憲子
霞む比叡山(ひえい)影絵のように友病んで 増田暁子
沢蟹や膝やわらかに湖族われ  矢野千代子
効きすぎの暖房ころんと尾骶骨  榎本祐子
             (榎本祐子記) 

2019年12月21日

山脈に雲影流る行く秋か     樫本昌博
闇落ちの夜に開く桜貝      葛城広光
立枯れの枝の剪定壺中天     白石修章
ネコ動画いいねしてノンキ年の暮れ
                滝澤泰斗
尿瓶携行は兜太の理性汚染の野  竹内義聿
柘榴食ぶかしこまって二人    谷口道子
褞袍着て常宿(やど)に納めし翁面    樽谷寛子
暗窓に鴎の死骸冬の刺      豊原清明
どのレジに並ぼうかしら赤のまま 野﨑憲子
冬帽子見たいものしか見えぬ街  増田暁子
日暮はやし物集女(もずめ)集落はここ  矢野千代子
非戦派や焼芋で臍あたためる   榎本祐子
             (榎本祐子記)

2019年11月16日

脚高蜘蛛日めくり裏で時とめる  樫本昌博
むし米の蒸気冬晴れの鬼瓦    白石修章
クリスマス林檎の皮にピアス刺す 葛城広光
ポプラ枯れ眠りにつかむ抑留墓地 滝澤泰斗
夜更かしの蝉酸欠の工房     竹内義聿
鳶しきり石灯台の冷えて来て   谷口道子
炉開きの香練る指の美しきかな  樽谷寛子
牢屋から冬虫の出て我赤目    豊原清明
深鉢に小芋の煮付帰心逸る    新田幸子
扇ひらけば狼の遠吠え      野﨑憲子
齢人(よわいびと)のおどけ笑いに似て芒   増田暁子
けんかまつり天王山へ曇奔(はし)る  矢野千代子
石蕗の黄の標のありて逝きにけり 榎本祐子
             (榎本祐子記) 

2019年9月21日大阪句会 

手のひらで天道虫とシーソーす  樫本昌博
末の世もすみっこぐらし栗ご飯  白石修章
ヤンキーは制度に不満ゆで卵   葛城広光
定刻に自転車ぴしゃりヘルパー来る
                竹内義聿
終り際なべて天指す百日紅    谷口道子
ふらり来て今朝の挨拶蛇の目蝶  樽谷寛子
八朔や四方八方白き壁      豊原清明
運動会白線ばかりを暮れ残す   新田幸子
ググーポッポ満月かついでくる少女
                野﨑憲子
眠れぬ闇銀河を越える櫓が聞ゆ 増田暁子
麦藁くべて産着干したるここ若狭     
               矢野千代子
脳軟化鰯の干物しゃぶっている  榎本祐子
             (榎本祐子記)

2019年8月17日

蟻達が迷う地面に拡声器        葛城裸時
天の川村深々とデブリ溜まる      白石修章
木槿の花が全開の朝蝉沸き立つ     竹内義聿
台風来浄土へ着けたか「だ骨」さん   谷口道子
鴉の子きらきら貌でおらを呼ぶ     樽谷寛子
八月や魂の宿りを嬉々として      豊原清明
打水や女将に一つ艶ぼくろ       新田幸子
?しぐれ杖のなかほどほの赤し      野﨑憲子
蒜山高原寝入るテントに「ベガ」が射す 増田暁子
べろべろと血を吐きカンナ咲かすのよ  榎本祐子
             (榎本祐子記)

2019年7月20日大阪句会

白鳥が水になったよ白い水      葛城裸時
月天心斜陽の街の盆踊り       白石修章
通函で繋ぐ解体業の夏        竹内義聿
愚痴が回復八十路の暑葉書にウフフ  谷口道子                
雨蛙「YMCA」は踊れまい     樽谷寛子
浮世かな今朝は二度寝の冷し粥    新田幸子
胸のボタン弾けそうなり梅雨の月   野﨑憲子
沖縄の孕む朱色や八月来       増田暁子
鮮やかな唇の色囮鮎         豊原清明
黐の花夕べむんむん煮くずれて    榎本祐子
               (榎本祐子記)

2019年6月15日の概要 大阪句会


綿菓子の香り仄かに夏の雲      葛城裸時
頂にビーコン白し佐渡萱草      白石修章

耄碌自由八十路の通景計り止まず   竹内義聿
新じゃがや股関節屈曲伸ばさねば   谷口道子
なめくじりひよいとベニスへ舟遊び  野﨑憲子
どくだみ咲く青春わっと後悔     増田暁子
浄瑠璃に泪牛丼食べて夏       榎本祐子
                (榎本祐子記)

2019年5月18日の概要 大阪句会

色丹のカールおじさんは田螺      葛城裸時
花水木ままごとのよう友の墓      白石修章
愛妻家飽きもしないで冷奴       小西豊和
令和零年お降(さが)りハレルヤ津々浦々 竹内義聿
椨(たぶ)若葉笑いすぎだよ宇治の山   谷口道子
学校とうあしたの種を播くところ    新田幸子
囀や歩けば歩くほど混沌        野﨑憲子
黄昏草ベンチの隣が空いてます     増田暁子
若気の至り羊蹄を食べ過ぎた      榎本祐子
              (榎本祐子・記)

2019年4月20日 大阪句会の概要

御飯粒雀の卵についている    葛城裸時
平成を咲き収めんと残花かな   白石修章
百代の過客我いま葛橋      竹内義聿
葱坊主丈の凸凹下京区      谷口道子
マカロンは春の色なす天体や   新田幸子
引き潮の沖へ沖へと揚羽蝶    野﨑憲子
春はあけぼのカモメのジョナサン不眠症
                増田暁子
一文字(ひともじ)の重たさ正午(ひる)の時報です 
                矢野千代子
国籍のこと花粉症の鼻かみて   榎本祐子
             (榎本祐子・記)

2019年3月16日 大阪句会の概要

真っ青な身体を風邪と間違った    葛城裸時
下校の児何を捜すや土手青む     白石修章
思い出が木立のように馴染む路地   竹義義聿
「達(だっ)陀帽(たんぼう)戴かせ」への字の口の目が笑う
                  谷口道子
吊革の〇と△春が来た        樽谷寛子
心延(ば)え目高の孵化のゆらぎかな  新田幸子
弥次郎兵衛ぎゅんと傾ぎて晩霞かな  野﨑憲子
温水に洗う食器の未来像       野村だ骨
初ざくら卑弥呼の息根は空耳か    増田暁子
螢烏賊は家来じゃないよ明滅す    矢野千代子
白酒やほたほた昔の足音か      榎本祐子
                (榎本祐子記)

2019年2月16日 大阪句会の概要

なんきんに多分深い海がある     葛城裸時
げんげ田の雲に電報サイキコウ    白石修章
ちんまりとまるで古漬日向ぼこ    小林寿美子
知らんけどな聞いたことやと大阪人  竹内義聿
雪の大原とちもちぜんざいお薦めです 谷口道子
冬木透き九度山沿線はにかむよ    樽谷寛子
荒波や佐渡の世阿弥に紅椿      新田幸子
影法師も小石も風も囀れり      野﨑憲子
すし桶に切って酢めしや春の声    野村だ骨
風花や鉄路に秒(とき)の吹き溜まり  増田暁子
対岸は室津港とう梅ほつほつ     矢野千代子
春月が舐めゆく路上アートの壁    榎本祐子
                (榎本祐子記)

2019年1月9日 大阪句会の概要

昼休み海月のように温かい     葛城裸時
明の春けんけん踊りの踵より    白石修章
望郷や墓に通じる雪の道      滝澤泰斗
卓に水仙鰈からりと骨まで素揚げ  竹内義聿    
膝痛や獅子頭の紅今日はきつすぎ  谷口道子
エプロンは「くまのプーさん」芹を摘む  
                 樽谷寛子
おおかみに出合う男女よ春峠    豊原清明
冬すみれ無音の底の海潮音     野﨑憲子
初夢や海鼠の彈力丸呑に      野村だ骨
白さざん花ざわめく島の診療所   新田幸子
恋はしたたか跋文のごとつもる雪  増田暁子
追従や頬杖のぼる冬の霧      矢野千代子
ペンギンの足のようなる愛探す   榎本祐子
              (榎本祐子記)

2018年12月15日 大阪句会の概要  

神の旅続々殖える塾子供      葛城裸時
昼の月一直線に鼬の子       白石修章
「男と女」ホテル・ノルマンディー秋暮色  
                 滝澤泰斗
吾亦紅大胆なりや三岸節子     竹内義聿
白樺立ち枯れ魁夷ブルーの水鏡   谷口道子
紅葉かつ散るレンズの中で眠る女(ひと)
                 樽谷寛子
旦那衆集う福助の足袋履いて    新田幸子
舌に風乗せて遊んでゐる狐火    野﨑憲子
靴底に熱砂の記憶落ち葉踏む    野村だ骨
左から枯れほんのり山越阿弥陀仏  矢野千代子
大根の干され妙に照れている    榎本祐子
              (榎本祐子記)

2018年11月17日 大阪句会の概要

冬の雨乳のしたたるのと同時      葛城裸時
穭のぶ亡父へ電話の請求書      白石修章
石頭は突然変異ななかまど       小宮豊和
聞け慟哭見よ一面のブタ草を      滝澤泰斗
顔を洗えば髑髏がうごくヒヤシンス   竹内義聿
雲の湿りや亡母の手編みセーターは   谷口道子
地図絵皿周防の国の柚子を盛る     樽谷寛子
花野風かくれんぼの鬼みいつけた    野﨑憲子
曼珠沙華消えた村から又、一人     野村だ骨
茶の花や産着ぬぐよう月の暈(かさ)   増田暁子
荻の声灸点がまだ定まらぬ       矢野千代子
柿の種つるんと呑んで天高し      榎本祐子
               (榎本祐子記)

2018年9月15日 大阪句会の概要

霧はまだとおっていない歯の隙間      葛城裸時
行く春や弛む夕餉の糸電話      白石修章
微香せり白い夜明けの稲の花        小宮豊和
垂直に蠍座モンゴル大とばり        滝澤泰斗
椎茸栽培のように生き延び文句あるか   竹内義聿
秋刀魚その黄色き吻(くち)よ夢のあと  谷口道子
姥百合や声つつぬけの丘の寺        樽谷寛子
確認は歯型の哀れ曼珠沙華         野﨑憲子
座布団の厚さに秋を出迎える        野村だ骨
咳き込んで銀河の雫を見失しなう      増田暁子
送り火やひとりの夜の泡立てる        矢野千代子
擦れ違うちりっと金属質の秋        榎本祐子
                    (榎本祐子記)

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